俺様外科医に求婚されました
そして数秒してその唇が離れたと思ったら…
「今日、帝国ホテルで紹介が済んだら上に部屋でもとろうか」
諒太はニヤリと笑みを浮かべ、そんなことを言い出した。
「今絶対変なこと考えてる」
「変なこと?例えば?」
笑顔でそんなこと言って、答えにくいことを言わせようとするなんて…変態だ。
「あれ?今日は純粋にデートするだけって言ってませんでしたっけ?あ、あと何もしないとか言ってたような気もする」
「…言ったかもしれないけど」
「じゃあ今日はダメです。私も七時までには帰らなきゃいけないし」
「え?そうなの?」
小さく頷くと、諒太はシュンとしたように肩を落とした。
私もそんな諒太を見て、少しへこんだ。
でも、いくら何でもホテルは。
泊まりになるかもしれないし…いきなり外泊はできない。
それに…まだちゃんと母のことを話せていないから。
私も早く、今の状況を伝えないといけない。