俺様外科医に求婚されました
「来ます、絶対に」
「絶対?」
「はい。絶対です」
「理香子が言うなら…間違いないな」
「はい。間違いないです」
ぎゅっと抱きしめて、諒太の背中を優しく摩る。
「ははっ、なんか言い切り型っていいよな」
「えっ?どういう意味ですか?」
そう聞き返すと、耳元で諒太が言った。
「例えば、将来の夢は何ですか?って聞かれた時、こうなりたいですって言うんじゃなくて。こうなります!って言い切って宣言する感じ。今、理香子はそんな日が来たらいいですね、じゃなくて来ますって言い切ったじゃん?」
「うん…言いました、ね」
「そういうところ、ますます好きになる」
諒太はそう言うと、突然フーッと耳に息を吹きかけてきた。
ぞわっと広がる感覚に、思わず肩がびくんと上がる。
身体中の神経が、耳元に集まっていくようだった。
「…なっ、いきなり何するんですか」
カーッと顔が熱くなっていく。
「敏感過ぎ」
諒太はそう言うと、慌てる私をからかうようにもう一度息を吹きかけてきた。
「失礼いたします」
だけどその時。
襖の向こうからそんな声が聞こえて。
私は諒太の体からスッとうまく離れることができた。