俺様外科医に求婚されました
幸せだった。
諒太といる今が、ただただ幸せだと思った。
「んーっ、!美味しい!」
「本当に理香子、美味そうに食うよな」
「だって本当に美味しいんだもん」
だけどそんな穏やかな時間は…長くは続かなかった。
立ち込める暗雲は、あっという間に私達から光を奪い、未来へ繋がる道を閉ざしていった。
小さな一歩は、踏み出せたと思っていたのに。
少しずつでいい。
ゆっくりでも、諒太と二人で同じ道を、進んでいけたらと思っていたのに。
「まぁ、ここは本当美味いからな。いつかは父さんと母さんと、今度は笑って…ここで一緒に飯を食おう」
そんな日は。
分かり合える日は…来なかったーーー。