俺様外科医に求婚されました



目の前に現れたのは、伯母さんと、メガネにスーツ姿の見知らぬ男性、それから…理事長だった。

どうして理事長が?何故伯母さんが一緒に?
この男性は、一体誰なの?
いくつもの疑問を抱くと、心臓がバクバク鳴り出した。


「この度は大変だったわね」


理事長はそう言うと私を見てニコリと微笑んだ。


「急にごめんなさいね」

「いえ…」


笑顔なのに、どことなく不気味に感じるのは気のせいだろうか。
失礼かもしれないけれど、目の奥は笑っていないし薄気味悪い。


「ところで理香子ちゃん、さっきお母さん暴れたんですって?ここに来る前、先生から話を聞いてきたわ」


伯母さんはそう言うと重いため息をはぁっと吐く。


「…暴れたというか、少し興奮してただけです。今は落ち着いて、眠ってます」

「そう。じゃあちょうどいいわね。今のうちにちょっと行きましょう」

「えっ?行くってどこに」


伯母さんにそう聞き返すと、その隣にいた理事長が何故か先に口を開いた。


「先生の計らいでカウンセリングルームを用意してもらってるの。そこで話をするのよ」

「話?一体どういうことですか?」

「とりあえず、行ってから話すわ」


理事長がそう言って病室から出て行くと、男性と伯母さんは理事長を追うようにぞろぞろと出て行き、私も渋々その後について行った。


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