俺様外科医に求婚されました
看護助手は、看護師や准看護師と違って資格などはいらない。
医療行為を行うことはなく、任された病棟、外来、手術室などに勤務し、入院している患者の食事の世話や、排泄、入浴の介助など身の回りの世話が主な仕事だった。
小児ホスピスの看護助手は、時間がある時は子供たちの遊び相手にもなる。
お馬さんがしたいと言われたら馬になった。
おままごとがしたいと言われたら、ごっこ遊びをした。
絵本を読んだり、紙芝居をしてあげることも多かった。
患者さんと触れ合う時間は、他の病棟の看護助手たちよりもずっと多かった方だと思う。
そして心が弱いと、やっていけない環境だった。
現に私は、働いて一カ月が過ぎた頃、あともう少しで…心が折れてしまいそうな出来事に直面した。
仕事にも慣れ、緊張も解け始めていたその日。
1021号室の患者、優梨奈ちゃんという女の子が、亡くなった。