俺様外科医に求婚されました



「類は友を呼ぶって言いますけど、お医者さん達に不動産会社の社長さんなんて、本当皆さんハイスペック過ぎて緊張しちゃいますよ」

「しかも輪島部長から聞いてた通り、皆さんカッコイイからさらに緊張だよね」


加奈の隣に座っていた先輩の林さんとその隣にいる倉田さんが、続けざまにそんなことを言っているのが聞こえてきた。

すると、何故か私の目の前に座っていた不動産会社の社長だという名波さんが突然クスッと小さく笑った。


「マジで緊張とかしないでいいから。ね!今日は楽しく飲もうよ」


そして優しくそう言うと、グラスを手にした名波さんは私に向かってそのグラスを差し出してきた。

これ…は、あれか。
もう一度乾杯しろというサイン?か?

恐る恐るグラスを手にした私は名波さんの空気に合わせるようにグラスをそっと当て合った。


だけど次の瞬間。


「お!やっと来た!」


輪島部長のそんな声にふと視線を向けると。


「悪い悪い、道混んでてさ」


そう言いながら遅れて現れた一人の男性の姿に、私の思考回路は一瞬で停止してしまった。


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