俺様外科医に求婚されました
「どこだろう」
中に入ると、前に立っている小野さんがキョロキョロしながら店内を見渡した。
どこ…だろう?
「あ!いた!」
不思議に思っていると、小野さんがこっちを振り向いて満面の笑みを浮かべる。
「いこ!」
そして私の手を取りそう言うと、店の奥へと進んでいった。
だけど次の瞬間。
「おー!こっちこっち!」
聞き覚えのあるその声に目を向けた私は、開いた口が塞がらなくなっていた。
視線の先には、大和諒太に…相沢先生までいる。
「えっ…と、どういうこ」
「実は、諒太先生に仕事が終わったら望月さんを連れてこいって頼まれてさ。相沢先生も一緒に連れてきてくれるって言うから、連れていきます以外の選択肢はないじゃん?」
小野さんは、私に小声でそう言った。
いやいやいや。その選択肢しかないのは小野さんが相沢先生に釣られちゃったからでしょ!?
…と心の中では思ったけれど、そんなことを言ってる場合ではない。
先に進んでいった小野さんは、すでに相沢先生の隣に座ろうとしている。
「はぁっ」
…仕方ない?か。
私は溜息を吐くと渋々三人が座るテーブル席に向かい、唯一空いている大和諒太の隣の席に腰掛けた。