俺様外科医に求婚されました
「よしっ」
壁の時計に目を向けた私はいつもの出勤時間が迫ってきていることを確認すると慌てて家を出た。
だけど階段を降りている最中、アパート前に止まっていた一台の車に気付いた私は思わず目を見開いた。
見間違いだと思いたい。
でも、偶然こんな場所に諒太が乗っていた車と同じものが、止まっているわけ…ない。
途端に高鳴る鼓動。
ドキドキしながら階段を降りてアパートの一階に降り立つと、恐る恐る車の運転席を見つめた。
しかし、誰も乗っている様子はない。
私は少しずつ、車との距離を縮めていった。
「おはよう」
するとその時、突然後ろから聞き覚えのある声がして。
驚いた私が慌てて振り向くと、そこには彼が…諒太が立っていた。