俺様外科医に求婚されました
「そんなビックリした顔すんなよ」
「やっ…そりゃビックリも…しますよ」
私がそう言うと、諒太ははにかむように笑う。
朝だというのにこの人は相変わらず…抜け目がなく爽やかだ。
…って、感心してる場合じゃない。
「そうだ、これ…ありがとうございました」
肝心なことを思い出した私は、手に持っていた紙袋を諒太に差し出した。
それを受け取った諒太は、中身をさっと確認するとクスッと笑う。
「やっぱ俺の読み通りだったな」
「えっ?」
「これ、輪島に渡して俺に渡してもらおうって。そのために急いで職場に持っていこうとしてたんだろ?」
図星を突かれ、返す言葉に困ってしまった。
まさにその読み通りなわけだけど、はいそうですとは答えにくいし、違いますと言えば嘘になる。
「先手必勝」
「はい?」
「今朝はすっげー寒かったし、昨日はなかなか寝られなくて朝は本当眠かったけど。早起きして取りに来て正解だった」
「早起き…って、何時からここにいたんですか?」
「んー、ここ着いたのは6時ちょうどくらいかな」
6時⁉︎
そんな時間は、まだまだ寝ていた。
起きたのは7時過ぎだ。