隣の君は眠り姫
隣の席の君


春。

一般的に恋が始まる季節に僕は恋をした。


その彼女は山田 小夜。
黒い髪にスラッとした身体、唇は紅く白い素肌によく映える。




だけど殆どのクラスメイトは彼女を知らない。





それは彼女が過眠症の眠り姫であるから。



僕と彼女が出会ったのも彼女が保健室で眠っている時だった。


僕は彼女の寝顔に一目惚れをした。




小さい顔に黒い髪、閉じられたその瞼に優しい春の陽が当たる。



その全てが愛しく感じ、守りたいと思った。



ラブストーリーは突然に。と言うが予兆ぐらいはあるだろうなどと思っていた自分を恥じた。




時が止まったように彼女を見つめていた。


でも、保険医が来たことによって僕と彼女の時間は終わり、彼女と会うことも無くなった。






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