隣の君は眠り姫
眠り姫
隣の席になったのは佐藤○くん。
初めて彼と出会ったのは春の終わり。
図書室からぼぉっと外を見てたら彼がいた。
自然に目が彼に吸い付くような感じで彼の姿を捉えた。
彼はずっと空を眺めてた。
そして突然微笑んで小さく手を振った。
ぱっと空を見れば鳥が羽ばたいたあとだった。
不思議な男の子だなぁ。
最初はそう思うだけだった。
学校に来たら自然と彼の姿を探すようになっていた。
そして見つけたのは猫を拾う彼、夕焼けの写真を撮る彼、友達と楽しそうに会話している彼、そして寝ている彼。
初めて、寝顔が美しいと思った。
恋の始まりは寝顔。
馬鹿馬鹿しい恋の始まりに少し笑った。