隣の君は眠り姫
「てか、起きてていいんだ」
話をそらすように目を伏せて言った。
「…うん。もう十分に寝たから。」
「ごめんね、迷惑かけちゃって…奏にも申し訳ないなぁ………」
「んー…仕方がないんじゃない?」
「フォロー…してくれるの?」
意外な言葉に驚きが隠せずにいた。
「フォローてか……まぁ友達だし。」
照れたようによっぽ向いた彼に愛しさが溢れた。
「ねぇ……好き」
「は」
「え、え、え、と、友達としてだよ?!?!?!うん!!!!うん?!?!?!?!」
やってしまったと後悔しても遅かった。
発してしまった言葉は戻らない。
彼のことを見ていられなくなって天井を見た。
「別にそんな気にしなくても。
俺も好きだよ……友達として。」
自分も言ってしまったくせに友達という呼び方に距離を感じた。でもそう言ってくれて嬉しい気持ちと混ざってすごく気持ち悪い。
どちらともなく顔を見合わせぷっと吹き出した。
「明日からは来れんの?」
「うん。待ってて。」
「おう。」
そういって彼は私の家から出ていった。
「(そういや、プリント渡されてないんだけど………まぁいいかぁ。)」