たとえ嫌だと言われても、俺はお前を離さない。
少しの間の後、構内にアナウンスが流れる。すると彼が沈黙を破って【今、外なのか? どこにいる?】と尋ねてくる。

隠すのは嫌なので、私は正直に今まで白川先生と会っていたことを彼に伝えた。
そして、今は駅に一人でいて、これから帰ることを告げると、


【……駅まで迎えに行く。俺の家に泊まれ】


と言われた。


突然のことだし、即答は出来ずに戸惑ったものの、彼は【いいな?】と力強く言ってくる。


分かりました、と告げて、私は彼のマンションに行くための電車に乗った。
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