自由帳【番外編やおまけたち】
・・・・・

「き、聞いてたはずなんですけど、て、テンションが上がっちゃったみたいで……あはは」


ゆっくり発進した車内は、早速私の言い訳で溢れていた。いつの間にか高原を山と勘違いしてしまっていたらしい。


「あーあ。今日は可愛い格好の彼女とデート出来ると思ったのに」


わざとらしく大きな独り言を吐かれ、グサリと刺さる。
ああ、そう言えばこの前女の子らしい春コートを新調したんだった。見せたかったな……。

私は、暖かさ重視で見た目は二の次三の次の、やたらともこもことしたジャンパーを恨めしく見下ろした。


「……でも、そういうのも似合ってる」


さらりと告げられた言葉に心臓が鷲掴みされてしまうあたり、私ってばやっぱり単純だ。

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