自由帳【番外編やおまけたち】
「採用と言えば」
ハンドルを切りながら、思い出したように小林さんが続ける。
「営業所で、今年もインターンの受け入れをするかもしれないんだ」
「そう言えば、社内メールで見ました。去年の実績をみて、今年は候補の支社と営業所を増やしたらしいですね。小林さんをはじめ、東部第四営業所の皆さんのおかげですね!」
昨年、地域貢献と学生に職業体験の場を設けるため、小林さんの所属する営業所で試験的に地域インターンを導入した。結果がよく、今年は全国で導入することに決まったのだ。
学生に指導している小林さんを想像して、私は思わずにやけてしまった。最初は挨拶の仕方や顧客対応などを教えるのだろうか。それとも、あの名物村山さんの対処法だろうか。
「学生さんには優しく接してくださいね? ただでさえ小林さんは無表情なんですから」
「ひどい言い草だな。俺だって感情くらいあるよ」
「そ、れはよく知ってます……」