手をつないでも、戻れない……
 彼の手が、背中を優しく撫で始めた。

 何度も何度も、唇の動きに合わせ強くなり繰り返され、私の手も彼の背中へと回った。


 それを確認したかのように、彼が靴を脱ぎ、私もハイヒールを脱ぎ捨てた。


 そのまま、どちらともなく、絡み合ったまま部屋の中へと入ると、彼の手が、ワンピースのファスナーを下ろした。



 ワンピースが肩から落ちると同時に、ブラのフォックが外されたのが分かった。


 そのまま、部屋の端にある、シングルベッドの上へとなだれ込んだ。


 彼の手が、外れたブラの上から、優しく揉み出した。



「はっ…っ…」

 声が漏れると、彼の手がキャミソールをたくし上げ、ブラの中へと入ってきた。


 直接触れられた感触に、体がピクリと動く。



 そのまま、ブラもキャミソールも、剥がされていった。


 彼の手は、私の胸に優しく、愛おしく触れる。


 何度も唇にキスを落としながら…… 


 その唇は、少しずつ降りて来て、胸の膨らみを優しく捉えた。



「ふぅ……」


 甘く漏れた声が、少しづつ大きく変わっていく。


 彼は、体を少し起き上がらせて、私の体を熱い目で見つめた。

 恥ずかしさのあまり、両手で胸を隠すと、彼の手により両手を胸から外された。


 彼が、片手でネクタイを外し、ワイシャツを脱ぎ捨てた。


「大切だったんだ……」


 そう言って、切なそうな目をしたまま、私の胸へとキスを落とし、本当に愛おしそうに、口の中へ胸の先端を転がしていった。
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