手をつないでも、戻れない……
 私の体は、熱く快感へと導かれていき、彼の手が、お腹の下へとゆっくりと降りてきた。

 太ももの内側へとたどり着いた時には、声にならない声が上がっていた。


 彼の手は優しく、ショーツの中を探るように入ってくる。

 それは、十五年間感じる事のなかった、刺激と気持ちの良さで、彼と別れた後だって、経験が無いわけじゃないのに、こんな風にに感じてしまう事は無かった。



 始めて、彼に抱かれた時と同じように、彼は、私を愛しく、大事な物に触れるように、触れてくる。


 彼の指が、私の中へ入り始めると、恥かしくも水音が響きだす。

 あまりの、快感に、何も考えられなくなり、耐えられす背中がのけぞる。



「もう…… だめ……」

 なんとか、声に出すが、彼の手は益々刺激を与えたてくる。


 胸の先端を噛まれると、彼の肩にしがみ付いた。


 彼の手が、私の太ももを持ち上げた。


「美緒…… 愛してた…… 今でも……」


 彼は、荒くなった息に交えながら囁くと、私の中へと入ってきた。


 たまらずに、私は声を上げる……



 しばらく、腰を沈めたまま動かず、苦しそうな熱い目で私を見つめていた。


 そして、唇を重ねると、ゆっくりと動きだした。



 激しい息遣いとと共に、私も彼も頂点に達して果てた……
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