手をつないでも、戻れない……
迷い道
一度は一般企業に就職したのものの、短大で取った資格を生かしたいと思い、福祉施設で働きはじめ十年になる。
相談支援を中心に、様々な支援を行い、今は主任として、責任も持たされていた。
その日は、朝から支援会議に追われていて、早めに、相談室に入り資料の確認をしていた。
『トントン』
部屋のドアがノックされた。
まだ、会議までには時間があるはずだと思い時計に目をやった。
「はい」
返事をすると、入ってきたのは、スラッと背が高く、穏やかな笑顔した福祉課の職員で、二つ年下の一ノ瀬雅哉だった。
彼の姿を見た途端、資料を確認する手が一瞬止まった。
彼とは、仕事で一緒になる事も多く、時々相談にも乗ってもらう事もあった。
雅哉は、ニコリと私に笑みを見せた。
爽やかな、嫌味のない好印象を与える笑顔だ。
「おはようございます。手伝いましょうか?」
雅哉は、資料を手にすると、一部づつ、机の上に並べだした。
「あ、ありがとうございます」
私は、ぎこちなくお礼を言った。
なぜなら、先週、彼に好きだと告白されたからだ。
そして、まだ、返事をしていない。
相談支援を中心に、様々な支援を行い、今は主任として、責任も持たされていた。
その日は、朝から支援会議に追われていて、早めに、相談室に入り資料の確認をしていた。
『トントン』
部屋のドアがノックされた。
まだ、会議までには時間があるはずだと思い時計に目をやった。
「はい」
返事をすると、入ってきたのは、スラッと背が高く、穏やかな笑顔した福祉課の職員で、二つ年下の一ノ瀬雅哉だった。
彼の姿を見た途端、資料を確認する手が一瞬止まった。
彼とは、仕事で一緒になる事も多く、時々相談にも乗ってもらう事もあった。
雅哉は、ニコリと私に笑みを見せた。
爽やかな、嫌味のない好印象を与える笑顔だ。
「おはようございます。手伝いましょうか?」
雅哉は、資料を手にすると、一部づつ、机の上に並べだした。
「あ、ありがとうございます」
私は、ぎこちなくお礼を言った。
なぜなら、先週、彼に好きだと告白されたからだ。
そして、まだ、返事をしていない。