手をつないでも、戻れない……
病院の入口に、入る前に大きく叫ぶ声が聞こえた。
「伊藤さんなんて嫌いだ! 死んじゃえ! 」
キンキンと高い叫び声が響きわたって、明らかに回りの雰囲気を悪くしている。
「横井さん、外へ行こう!」
伊藤さんの、少し苛立った声がする。
私が、病院の自動ドアの前に立つと、受付の女性の嫌そうな顔が映った。
周りを見ると、昼を回っているせいか、椅子に座る患者も数人だが、中には頭を押さえている人もいる。
「申し訳ありません……」
深く頭を下げた。
「横井さん、どうしたの? 私に教えてくれる?」
私の声に、横井さんは一瞬止まった。
「水嶋さんきいてよ―。伊藤さんが―」
と大声でき出す。
「ここは、病院です。皆さんにご迷惑をかけてしまいます。外でお話し聞きます」
「やだやだ。先生に受診してもらう!」
「外へ行こう!」
伊藤さんは、少しキツイ声で横井さんの手を取った。
「やだ!」
横井さんは、また、激しくパニックを起こす。
「伊藤さん、私がここに来てしまって、施設が人手不足です。申し訳ありませんが、ヘルプをお願いします」
私は、伊藤さんへ、厳しい目を向けた。
「ああ、行きまーす」
伊藤さんは、嬉しそうに背を向けた。
その姿に、思わず深いため息が漏れる。
「横井さん、私がちゃんとお話し聞くから、その後、先生に受診してもらいましょう」
受付の女性をみると、明らかに嫌な表情を見せる。
精神科ならまだなんとか対応してもえらえるが、一般科じゃ無理もない。
まわりの患者さんも、嫌そうな冷ややかな目を向ける。
仕方ない、今日は諦めて帰るか……
消して、横井さんにとって良い経験にはならないが仕方ない……
とにかく、落ち着かせて外へ出ようとした時だった。
「伊藤さんなんて嫌いだ! 死んじゃえ! 」
キンキンと高い叫び声が響きわたって、明らかに回りの雰囲気を悪くしている。
「横井さん、外へ行こう!」
伊藤さんの、少し苛立った声がする。
私が、病院の自動ドアの前に立つと、受付の女性の嫌そうな顔が映った。
周りを見ると、昼を回っているせいか、椅子に座る患者も数人だが、中には頭を押さえている人もいる。
「申し訳ありません……」
深く頭を下げた。
「横井さん、どうしたの? 私に教えてくれる?」
私の声に、横井さんは一瞬止まった。
「水嶋さんきいてよ―。伊藤さんが―」
と大声でき出す。
「ここは、病院です。皆さんにご迷惑をかけてしまいます。外でお話し聞きます」
「やだやだ。先生に受診してもらう!」
「外へ行こう!」
伊藤さんは、少しキツイ声で横井さんの手を取った。
「やだ!」
横井さんは、また、激しくパニックを起こす。
「伊藤さん、私がここに来てしまって、施設が人手不足です。申し訳ありませんが、ヘルプをお願いします」
私は、伊藤さんへ、厳しい目を向けた。
「ああ、行きまーす」
伊藤さんは、嬉しそうに背を向けた。
その姿に、思わず深いため息が漏れる。
「横井さん、私がちゃんとお話し聞くから、その後、先生に受診してもらいましょう」
受付の女性をみると、明らかに嫌な表情を見せる。
精神科ならまだなんとか対応してもえらえるが、一般科じゃ無理もない。
まわりの患者さんも、嫌そうな冷ややかな目を向ける。
仕方ない、今日は諦めて帰るか……
消して、横井さんにとって良い経験にはならないが仕方ない……
とにかく、落ち着かせて外へ出ようとした時だった。