手をつないでも、戻れない……
「ねえ、食事の用意してあるから……」


 彼の唇からやっと離れ、訴える……


「分かってる……」


 そう言いながら、彼の唇は、私の首筋へと降りてきた。


「ふぅあ…… 話もしたい……」


 思わず出た、甘い声で訴えても、なんの説得力もなかった。



「後で……」

 彼の甘い声が、耳もとで囁かれ、やっとの事で立っていた力が抜け落ちた。


 彼は、私が巻いていたエプロンの紐を引っ張った。

 お腹の周りがすっと軽くなり、ワンピースの裾が捲られていくのが分かった。



「ちょ、ちょと玄関……」

 と言う私の声はとぎれとぎれになってしまう……



 彼の手は、ワンピースの裾を捲り上げ、背中まで上がってきて、私はショーツまる出し姿となっている。



「もう、あきらめろ」


 彼はそう言うと、もう片方の手で、お尻を触ってきた。


 あっという間に、私は玄関でワンピースの中の下着だけを外された。



 彼の唇は、まくり上げられ丸出しになってしまった私の胸を甘く探りだした……


 そして、彼の手は、太ももを撫でるように、私の感じる部分へとたどり着いてしまった。



 何度も何度も、繰り返し、愛おしく触れられ、


 玄関という事も忘れ、声にならない声が甘く漏れた……




 彼は、熱い目で苦しそうに私を見る……


 そして、私の片方の足を上にあげると、壁に手を付き、私の中へと入ってきた。


 最後の声が上がる……



 息を荒くつきながら、床へと倒れ込んだ……
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