=ウサギくんとオオカミさん=
並ぶ二人
「おめでとう!俺は嬉しいよ!ウサギ!」
満開の笑顔がウザい。
海老名に話せばこうなることはわかりきっていた。
だから、言いたくなかったのに。
大神のやつが、お世話になったからと話してしまったのだ。
お世話になった覚えは俺にはないけどな。
「べ、別に成り行きだ」
「成り行きでも、そう言う気持ちがなかったらそうはならないでしょ。ウサギは特に」
「…そ、それは」
確かに。
勢いもあったが、自分自身でも納得ができたからこの結果があって。
それは多分、その通りで。
だから、そう。
大神の事、ちゃんと、す、き、だと思う気持ちはあって。
だから…。
「…凛のそんな顔初めて見たかも」
「あ?そ、そんな顔ってなんだよ」
「え?言っていいの?」
「言わなくていい!」
くそ。
調子狂う。