=ウサギくんとオオカミさん=
なんでそこで俺?
全く記憶にねぇ。
「颯爽と現れた先輩は、その男たちを一人でやっつけたんです!自分もボロボロになりながら俺を守ってくれたんです!」
目を輝かせながら話す。
「中2の時です!その時から先輩は俺のヒーローです!高校も先輩を追って来ました!」
「全く覚えてねぇよ」
「そ、そんな…!」
中学の頃は、喧嘩するクセが抜けなくて、やたらと喧嘩していた。
まぁ、いまだに絡んでくるやつには応戦するが。
ただ、目についてウザかっただけの話だろ。
「それでも!俺にとってはヒーローなんです!」
そこまで目を輝かせるほどの事かよ。
俺自身に助けたつもりなんてないのに。