=ウサギくんとオオカミさん=


なんでそこで俺?
全く記憶にねぇ。



「颯爽と現れた先輩は、その男たちを一人でやっつけたんです!自分もボロボロになりながら俺を守ってくれたんです!」



目を輝かせながら話す。



「中2の時です!その時から先輩は俺のヒーローです!高校も先輩を追って来ました!」

「全く覚えてねぇよ」

「そ、そんな…!」



中学の頃は、喧嘩するクセが抜けなくて、やたらと喧嘩していた。
まぁ、いまだに絡んでくるやつには応戦するが。

ただ、目についてウザかっただけの話だろ。




「それでも!俺にとってはヒーローなんです!」




そこまで目を輝かせるほどの事かよ。
俺自身に助けたつもりなんてないのに。



< 108 / 182 >

この作品をシェア

pagetop