=ウサギくんとオオカミさん=
「お前って、変な奴だよな」
「え…!?」
校門を出て二人で歩く。
しみじみとそういうと、キョトンとした顔で俺を見上げる。
「地味で、ヘタレかと思いきや…。なんで俺に対してはそんな強気なんだ」
「え…、そ、そうでしょうか…」
「そうだろ」
クラスでのこいつ見てたら、そう思うのは当然のように思うが。
まぁでも、こいつのこの強引さに俺は負けたともいう。
「宇佐木くんは特別です!」
「…あ!?」
またコイツは、こっぱずかしいことを言いだす!
油断も隙もねぇ。
「宇佐木くんは、私がどんなみっともない姿でも、無様でも、笑ったりしないので」
「あ?そんなの、わかんねぇだろ」
「わかります!そういう所が好きだから!」
「……っ!」
お、お前は!!
返す言葉も見つからず口ごもる。