=ウサギくんとオオカミさん=
「…あ、のよ」
いつまでも、こいつのペースにいさせるかよ。
俺だって。
「はい!」
一気に心拍数が上がる。
なんでこんなに緊張すんだよ。
たかが、誘うだけだろ。
「テスト終わったら、その…夏休みだろ」
「はい」
「…そしたら、どっかいくか」
なんつーぶっきら棒な言い方。
でも、それが精一杯だ。
顔が熱い。
「はい!!」
大神の嬉しそうな声。
ホッとする。
「とりあえず、テストだけどな」
「う…っ、は、はい!テスト頑張ります!」
百面相みてぇ。
おもしれぇ奴。
こういう一生懸命なとこ、結構す…。
す…ってなんだ!
こいつの調子に巻き込まれすぎか!
まぁ、でも。
素直に言ってやるのは、まだ恥ずかしくて無理だが。
こういうの、あいつなら…。
海老名ならきっと、スマートに言ってやれるんだろうな。