=ウサギくんとオオカミさん=


「本当に、お前は屑だな」

「…はあ!?ふざけんな。てめぇの授業なんか、言われなくても出てってやるよ」



ガン!!
と思い切り机を蹴り飛ばして怒りのまま教室を飛び出す。
ざわついた教室だったが、俺が出ていってすぐ葛山が声をあげていた。



「邪魔者がいなくなったから再開するぞ。お前らも、あいつみたいになるなよー」




くそったれが。
ふざけんなよ。

たまに授業に出ればああだ。
不真面目なのは認める。
身なりだって悪い。


でも、邪魔なんかしてなかっただろうが。



イライラする気持ちをどうにもできないまま屋上に上がった。
屋上は普段、立ち入り禁止になっている。
そんな事知ったことじゃないが。

こういう時、どういう手を使ってるんだか海老名が役に立つ。
屋上の合鍵を作ってくれたのはあいつだ。


海老名からもらった鍵を使って屋上に出ると、怒りのままそこに寝転がった。



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