=ウサギくんとオオカミさん=
「お前、俯いて髪で顔隠してたし。でも、もともとお前、そんな顔じゃねぇか」
「でも…」
「キャラの事言ってんなら、まぁ…無理してんのかしらねぇけど、周りに陰険な奴らがいなけりゃそんなもんなんじゃねぇの?頑張ってんのは認めるけど」
なんでそんなかっこいいんだろう。
俺を俺として見て、俺のままを受け入れてくれてた。
「いじめられてなきゃそんなもんだと思ってた」
「…ありがとう」
涙が止まらなくて。
ああもう、ほんとカッコ悪い。
最後まで、ほんと情けないくらいに。
でも。
俺は間違ってなかった。
凛の側にいることを選んでよかった。
女々しくても。
カッコ悪くてもいいや。
凛の友だちとして側にいられるならそれでいい。
辛い過去も、全部、ひっくるめてよかったって思える。