=ウサギくんとオオカミさん=
あんな風に頭ごなしに言われるのはいつもの事だ。
それにいちいちカッとなってしまう。
だめだと思いつつ、その衝動を抑えられねぇ。
「い、いた!う、宇佐木くん!!」
屋上の扉が開き、震える声が聞こえる。
誰だ。
「こ、こんなところにいたんですね。探しました!」
「は…?お前、授業中だろ」
そこにいたのは、大神茉侑。
何しに来たんだよ。
授業なんか抜け出すようなタイプじゃねぇだろ。
「は、初めて抜け出してきちゃいました。で、でも大丈夫です。体調悪いって言って出てきたんで!」
「いや。別にどうでもいいけど、何しに来たんだよ」
やけに張りきった様子で話す大神に戸惑いながら聞く。
さっき、俺がお前のあいさつ無視したの忘れたのか?