=ウサギくんとオオカミさん=
「甘いもの、お好きならこういうのもお好きじゃないですか?」
「す、好きだけど…」
「注文するのは抵抗があるかもですが、こうすれば食べれますよね?」
スッと俺の目の前に置かれたパンケーキ半分。
ちゃんとクリームも半分乗せられている。
「…ここ来たいっていったの、俺のためか?」
「え?まぁ、それもありますが…、私自身が来たかったんです。私、こういう所に一緒に来る友だちいないので」
「俺に来たみたいに図々しくいけば友だちなんて簡単にできるだろ」
甘いものが好きな俺のため。
普段、自分の見た目とか気にしてこういうところ興味あってもこれねぇし。
俺が甘いの好きだって大神は知ってるから。
「友だちは、できました。海老名くんや虎太郎くん。私をわかってくれる人が二人いるだけで、十分です」
「…わかってくれる人、ね」
「う、宇佐木くんを入れなかったのは、友だちじゃなくて…その、こ、恋人だからです…!」
「…聞いてねぇよ!」