=ウサギくんとオオカミさん=
ベッドて横になる凛くん。
頭やあちこちに包帯が巻かれ、痛々しい姿。
手が、震える。
無事だと言われたけど、もし、もし目を覚まさなかったら…。
「凛くん…っ」
どうして。
どうして凛くんがこんな目に。
「大神さん…」
海老名くんが背中をさすってくれる。
ダメだ。
海老名くんだって不安なはずなのに。
「ごめんなさい…」
「ううん。気持ち、わかるから」
凛くんを信じなきゃ。
きっと、目を覚ましてくれる。
「…凛!」
その時、勢いよく病室のドアが開く。
慌てた様子で一人の女性が入ってきた。
「心さん!」
「統太…。り、凛は…!?」
心さんと海老名くんに呼ばれたその方。
どことなく、凛くんに似ているような…。