=ウサギくんとオオカミさん=
姉ちゃんが帰ってきたのはそれから3時間後の事だった。
「疲れたー」
「遅かったな」
「んー、ちょっとトラブってね。蜂屋ちゃんとご飯届けてくれた?」
「…ああ」
この様子だと、蜂屋さんは俺が生意気な事を言ったこと姉ちゃんに話していないみたいだ。
話せるわけないよな。
仲がいいといえ、姉ちゃんは先輩なんだし。
「そこまで頑張って働く必要ねぇじゃん」
「え?なに言ってんの」
「姉ちゃんがそんなにはたかないといけないのって、俺の学費とか生活費があるからだろ」
どうしてだろう。
今日はもう止められない。
「俺がいなければ、さっさと結婚して家庭に入って子ども産んでってできただろ」
「なに言ってんの。結婚する相手がいないわよ」
「誤魔化さなくていいよ。姉ちゃんが蜂屋さんの事好きなの見てたらわかる」
もう終わりにしたい。
なにもかも。