=ウサギくんとオオカミさん=


「お前が仲良くしてやればいいだろ。友だちになったんだろ」

「なに言ってんの。先に友だちになったのウサギじゃん」

「お、俺はいいんだよ!お前の方がそういうの得意だろ!」




友だちっつったって、苦し紛れに頷いただけで。
どうしろっていうんだ。




「いい子そうなのにね」

「だから、そう思うなら」

「そっくりそのままその言葉お返しするよ」

「…ぐ」



俺がそういうの苦手な事知ってるくせに。
俺だって友だちっつうのは海老名くらいしかいないわけで。

海老名とだって、海老名がウザいぐらいに絡んでくるから関わってるだけで。
自分からどうこうしろっていうのは、正直無理な話だ。



「とりあえず、ちゃんと見ててあげなよ」

「は?」

「授業にちゃんと出る事、だね」

「なんでそうなるんだよ」




授業とそれは別だろ。
つぅか、なんで俺があいつのために。



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