=ウサギくんとオオカミさん=
「好きだからです。凛くんの事が、好きだから」
「…そうだった。お前って、見かけによらず直球勝負の奴だったな…」
思いがけない真っ直ぐすぎる告白にたじろぐ。
原動力が“好きだから”って、好きって感情はどんだけ最強なんだよ。
「凛くんはきっと、慣れていなんですよ。無条件に愛されるってことに」
「慣れるわけねぇ。無条件になんて、そんなの嘘だ」
「慣れてください!これからは、私がたくさん無条件に愛を注ぎますから!」
「はぁ?お前、恥ずかしくねぇの?」
「恥ずかしくありませんよ!凛くんが信じてくれるまで、何度だって言います!」
無条件に愛される。
そんな事、ありえなかった。
見返りがないと愛してなんてもらえない。
ずっとそう思っていたから。
こいつが気づかせてくれたんだ。
真っ直ぐ、直球な想いをぶつけて。
俺に、愛されていいんだって。
俺は愛されてるって。
馬鹿みたいだ、こんな高校生にもなって、愛されたいなんて。