＝ウサギくんとオオカミさん＝

｢ウサギと仲よくなりたいんだって。そのためにどうしたらいいかって相談されたの。それで、俺が誘って今に至る｣

｢……｣

｢わかった？｣



なんであいつはそこまでして俺と仲よくなろうとするんだ。
どっちかっというと、あいつは俺なんかと関わるようなタイプじゃない。
まったく反対にいるような奴だ。
そんなことくらい、俺にだってわかる。

むしろ、ああいうタイプの奴らは、俺の事嫌悪してたり迷惑に思ってたりするんじゃねぇのか。
それなのに。



｢少しはさ、信じてあげなよ。大神さん、一生懸命で可愛いじゃん｣

｢う、うるせぇ｣

｢…それにしても、遅いね｣

｢あ？女のなんて遅いもんじゃねぇのか｣

｢え、ウサギ、変態｣

｢はあああ！？｣



なんで俺がお前に軽蔑の目で見られなきゃいけねぇんだよ。
ムッとしながらも、大神のいった方向に近づいていくと何やら揉めているような声が聞こえてくる。



｢…ませんじゃねぇよ。どうすんだよこれ、おい｣




ガラの悪い男たちが数人誰かに絡んでいるようだ。