=ウサギくんとオオカミさん=


よく見て見ると、その絡まれているのはさっきトイレに行った大神。


「す、すみません…。あの弁償…」

「はぁ?ウジウジ聞こえねぇんだよ、はっきり喋れや」



今にも泣き出しそうな大神に、悪態をついている男たちに俺はカッとなりズカズカと近づいていった。



「あ、ウサ…!」




海老名の声は聴かないふりをして、思い切り足を振り上げ大神の目の前にいる一人の男を蹴り飛ばした。
不意打ちだったためか、思いの外吹っ飛んでゲームの機械の前に置いてあった椅子ごと吹っ飛んでいく男。



「な、なんだてめぇ!」



一緒にいた他の男が怒鳴り声をあげる。
俺は何も言わず、そいつに向かって拳を突き出した。
問答無用にぶっとばしたら、まだいた他の男たちはビビったのかじりじりと後退する。




「な、なんだよてめぇ!」

「い、行こうぜ!」



反撃することもできねぇ腰抜けども。
ぶっとばした男たちを担いで逃げ去っていった。



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