=ウサギくんとオオカミさん=
「情けねぇ奴ら」
吐き捨てるようにそう言うと、振り向いて大神を見た。
「おい、だいじょ…」
「…っ!」
振り向いた俺を見た大神は、ビクッと肩を震わせ、怯えた顔で俺を見上げた。
怖ろしいものを見るような瞳で。
……っ!
「ビビるくらいなら、最初から俺に近づくんじゃねぇよ!」
思った以上に低い声が出て大神に怒鳴る。
俺はそのままその場から飛び出した。
むかつく、むかつく、むかつく!
んだよ。
あの、怯えたような顔。
助けてやったのに。
だから、ああいう奴と関わるのは嫌なんだ。
最初からわかりきってたことだろ。