=ウサギくんとオオカミさん=
「まぁ、ウサギはほとんど授業サボってるもんなー」
「うるせぇし、濁点」
「大神茉侑(おおかみまゆ)。あの子の名前」
「べ、別に興味ねぇよ」
「知っててあげなよ。自分の事好きになってくれた子なのに」
それこそ興味ねぇよ。
俺の事好きとか、どこ見て言ってんのかって思うし。
俺のことなんか、嫌ってたり怖がってるやつしかいねぇのが普通だし。
まぁ、コイツは別だけど。
「でも、一生懸命で可愛い子だったじゃん」
「は?じゃあお前が付き合えよ」
「なに言ってんの。あの子はウサギがいいんでしょ」
「……ウザい」
こういう時のコイツはたちが悪い。
面白がってんだ。
口はうまいし、頭の回転早いからな。
口では勝てねぇ。
「付き合ってみればいいのに」
「バカか」