=ウサギくんとオオカミさん=
でもこれって。
か、か、間接キスとかいうやつじゃ…。
いや、これは流れで仕方なくだ。
大神だってそんな意図ねぇし。
俺にだってなかった。
うがぁ!
気づかなかったらよかった!
気づいたら無性にいたたまれねぇ。
てかなんで俺がこんな女みたいにソワソワしないといけないんだ。
堂々としてたらいいだろ。
「あの、宇佐木くんは甘いものが好きなんですか?」
「わりぃかよ!」
あ…しまった。
またやってしまった。
どうしてこういつもケンカ口調になってしまうんだ。
「…じゃなくて。その…、似合わないってわかってんだ」
「似合わない?なにがですか?」
「あ?にあわねぇだろ。目つきの悪いいかつい顔つきの男が甘いものとか」
「甘いものを好きになるのに見た目は関係ありませんよ」
サラリとなんでもないことのように言ってのける。
俺は呆気にとられ言葉に詰まる。
なんだこいつ。