=ウサギくんとオオカミさん=
「…そうか」
「そうですよ」
ああそうだった。
コイツはこんな俺なんかを好きだと言った変人だったんだ。
きっと他の奴らとは感覚が違って、きっとおかしいんだ。
だから俺なんかを好きになって。
諦めもせず、友だちになりたいなんて言い出したんだ。
きっとそうだ。
「…甘」
コクリと飲みこんだサクラスムージーは、思っていた以上に甘い味がした。
冷たいはずなのに、身体がこんなにポカポカと熱いのは。
きっと、もうすぐ夏がやってくるからで。
隣にいるこの女は全く関係ないんだ。
きっとそうだ。