=ウサギくんとオオカミさん=
俺が女と付き合う?
そんなの、到底無理な話だ。
「どっからでもかかってこいや!」
その言葉を合図に、男どもが勢いよくかかってくる。
男一人に対して4人がかり。
こういうケンカに卑怯だとかそんなの通用しない。
一人の男の拳を避け、休む間もなく次の攻撃をかわす。
その中で攻撃を仕掛け、防御をしながら一人ずつぶっとばしていく。
ケンカは負ける気がしねぇ。
どいつもこいつも雑魚ばっかだ。
売られた喧嘩は全部買う。
それがおれの信条。
到底無理な話だ。
こんな男だって知れば、誰だって逃げていく。
俺なんかを好きになる奴なんか、いない。
「あーあー、無残だなぁ」
「口ほどにもねぇ」
「凛、程々にしなよ。いい加減退学になっても知らないからな」
「…わかってる」