＝ウサギくんとオオカミさん＝

球技大会当日。
結局、大神の勢いに圧されて朝っぱらから学校に来ている。

案の定クラスの奴らはソワソワしていて感じが悪い。



｢帰りてぇ｣

｢まあまあ。ウサギはバスケね。あ、俺も｣

｢バスケ…めんどい｣

｢大神さんも女子のバスケだって｣

｢一緒にっつったって、結局女子と男子別なんじゃねぇか｣

｢当たり前じゃん｣



わかってたけどよ。
あんなに一緒にって張り切ってたからなんか違うのかと思ったんだよ。
遠目に大神を見る。
いつもと違い紙を一つにまとめて気合十分のようだ。



｢男子バスケはすぐ試合はじまるよー｣

｢あ？こんな朝っぱらから動けるかよ｣

｢いや、授業と一緒だから｣



海老名に呆れられながらも体育館のバスケゾーンに向かう。
俺と海老名以外のメンバーは、正直顔は見たことあるが名前は知らない奴らばっか。
つぅか、クラスメイトの名前とかいちいち覚えてねぇし。