＝ウサギくんとオオカミさん＝

しかも。
バスケってさぼれねぇし、地味にしんどいじゃねぇか。


なんだかんだとゲームが始まったかと思えば、攻撃に守備にと行ったり来たり。
サボってやろうと思ってたが、サボるとかえって目立つことに気づいて辞めた。



｢う、宇佐木くん！！」



チームメイトの一人の男。
ゼッケン4番の男が声を震わせながら俺の名を呼ぶ。
ビビりながらボールまわしてくんなよ。

そう思いながらも仕方なくボールを受け取る。
リズムよくドリブルをしながら敵チームを交わしてゴールに突っ切った。


キュキュッと体育館の床を擦る音を立て、態勢を整えてシュート。




｢…あ｣



ガコッとボールはゴールの端にあたり跳ね返った。
だせぇ。


それを海老名がリバウンドをとりそのままシュート。

わああああ！と歓声が上がる。
あいつ…あいつ…。


全部いいとこもっていきやがった！！