=ウサギくんとオオカミさん=
「すぐに動かない方がいいと思うから、少し休んでいきなさい。球技大会も半日で終わりでしょう?」
「はい」
「先生、少し球技大会の方見に行かなくちゃいけないから抜けるわね。あんたたちは…まあ今日は見逃してあげるわ」
「サンキュー魚ちゃん」
「先生と呼びな!」
魚住はそう言って出ていった。
「大神さんの服も着がえなきゃね。血がついちゃってる」
「あ、私は大丈夫なので…、その、球技大会の方に…」
「アホか。俺はお前が必死になって頼むから出ただけで、お前がでねぇなら球技大会なんかどうでもいいんだよ」
「…ね、ウサギもそう言ってるし」
売り言葉に買い言葉みたいなノリで言っちまったけど…。
俺、サラリと変な事口走ったんじゃねぇか?
おいおいおい。
俺はそんなつもりじゃ…。
って。
大神、何にも気にしてる様子はない。
なんだ、気づいてねぇのか。
「すみません…」
気づかねえよな。
こいつ、そんなやつだわ。