=ウサギくんとオオカミさん=


「え、あの、体調が…?」

「ち、ちげぇよ!」


見当違いな大神の反応。
海老名はそれを聞いて大笑いしている。


「いやぁー、いいよ。ほんと、大神さん素敵すぎる」

「え…、え?」



大神は意味がわからず首を傾げる。
バカでよかった。



「ね、食べていい?」

「はい。あの、美味しくなかったらすみません」

「えー、美味しいに決まってるよ。ね、ウサギ」

「はっ?あ、ああ…」



言われるがまま、クッキーを袋から出す。
一つ手にとって口にほおる。
口の中に甘さが広がる。

…うまい。



「どうですか?少し甘めにしてみたんです。あの、宇佐木くん甘いものお好きだと言っていたので…」

「ぐふっ…」

「え?そうなんだ。初めて知った」



こ、こいつ…。



「お前!言うなって!」

「え、あ、だめでしたか?」


海老名には隠してたのに。
口止めし忘れてた。



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