=ウサギくんとオオカミさん=
「ふふっ」
いい加減、海老名とのやり取りもウザくなっていた頃、大神が噴き出すように笑った。
「あ?」
「す、すいません…、つい…。お二人がとても仲好さそうなので」
「は?今までのなにを見てそう思う。バカだろ」
「女の子相手にバカはないでしょー、バカっていう方がバカー」
「子どもか、お前は」
ほんと、これのどこを見て仲いいとか思うんだ。
俺にとってはうっとおしいだけで。
腹が立つことばかりで。
「球技大会の事も…、ありがとうございました」
「あ?もうそれは聞いただろ」
「そうじゃなくて、出てくださったことです。宇佐木くんと、海老名くんと参加できてとても楽しかったので」
「…別に、一緒に競技に出たわけでもねぇし」
それのなにが楽しかったんだか。
でも……。
まぁ、確かに悪くはなかった。