=ウサギくんとオオカミさん=
そんなやつが、なんたって俺と一緒にいるんだ。
類は友を呼ぶって言うが、あれは嘘だったのかと思う。
「帰るの?」
「そう言ってる」
「お姉さんによろしくね」
「…ああ」
海老名はそれ以上は追求せず、帰るという俺の言葉に従う。
あの女だって、俺なんかより海老名みたいな奴の方が……。
って。
いつまであの女の子と考えてんだ。
もうどうだっていいだろ。
あんな風に暴言で追い返したんだ。
もう、俺が好きだなんて戯言なんて言うわけない。
もう、終わったんだ。
あんなの、さっさと忘れてしまえばいいんだ。