=ウサギくんとオオカミさん=
「…まぁ、お前が楽しかったなら、それでいい」
サラリと、そんなセリフが出てきたことに自分でも驚く。
なに言ってんだ、と思ったが、ふと見た海老名が満足そうな顔で笑ってるから。
もう、どうでもいいかと思った。
「じゃあ、今度ウサギんちでお疲れさま会しよう!」
「は?なんだそれ」
「お菓子とジュースを買い込んでパーッと!」
「楽しそうです!!」
「勝手にその気になんな」
お疲れさまって、それ程疲れるほど動いてもねぇし。
たかだか学校の小さな行事が終わっただけだろ。
ただ単に、こいつが騒ぎたいだけだ、絶対。
「いいでしょ?ウサギ。あまーいものたくさん用意するからさ」
「…いっぺん殴らせろ」
「やだよ、痛いの」
「いいから頬を差し出せ」
「け、ケンカはダメです!」
「うるせぇ!黙ってられるか!」
なんでだ。
少しだけ、ほんの少しだけ。
居心地がよく感じてしまうのは。