=ウサギくんとオオカミさん=
「それに…、別に、ケンカとかじゃ…」
「でも、気まずい感じになったってところか?」
「……」
図星をつかれて黙り込む。
俺だって、あんな風に怒鳴り返すつもりなかった。
無意識だった。
「ウサギが悪いって思ってるなら早いうちに謝った方がいいし、心さんに問題があるにしてもウサギの方から歩み寄ったら?」
「…わかってる」
「まぁ、でも。どうしても顔合せるのがしんどいとかだったら、うち来る?」
「あ?」
「一日離れてお互い冷静になるっていうのも手だと思うよ。まぁ、原因がわからないから何とも言えないけど」
海老名にそう言われ考える。
冷静に…か。
それも一理あるか。
「着がえもなんもねぇぞ」
「そんなの、俺の貸すし帰りコンビニでも寄ってけばいいじゃん」
「…じゃあ、それで」
海老名は心なしか嬉しそうで。
喜ぶ事かと首をかしげる。