=ウサギくんとオオカミさん=
「でも、俺はさ。凛って呼びたいし。欲を言うなら、凛にも俺の事統太って呼んでほしい」
「は、む、無理だ今更」
「うん…。だから、いつかでもいいからさ。だからとりあえず、凛って呼ぶの許してよ」
なんだこのこっぱずかしい空気は。
いやいやいや。
こいついちいち距離が近いとは思ってたけど。
「まさか、お前そっち…」
「は!?バカじゃないの!?違うよ!そうじゃなくて!俺…、凛の一番でいたいんだ。一番の親友」
「モノ好きすぎるだろ」
「凛は知らないんだ。俺がどれだけ凛に救われたかって」
救われた?
誰が、誰に。
いつそんな事。
「もう決定だから!凛って呼ぶからな!決まり!」
「勝手に決めんな」
いつだって強引で。
俺の気持ちなんてお構いなしなこいつが。
今はなんだかとても不安そうに見えて。
呼び方くらい、なんでもいいか。
半ば諦めも入りながら、そう思った。