=ウサギくんとオオカミさん=
「ウサギ?」
「…っ、う、うるせぇ!」
俺は思わずそう叫ぶ。
オオカミはビクッと肩を震わせる。
ビビらせ…。
って。
俺がなんでそんな事気にしないといけないんだ。
ビビるなら最初から話しかけてくんなよ。
理不尽な怒りを覚えながら俺は、返事なんてせずに自分の席にどかどかと進んでいった。
知るか。
別に俺は関係ない。
どうせ一時の感情で。
やっぱり勘違いだったとか言うんだ。
どうせ、俺なんかより優しい、海老名みたいな奴がいいとか言い出すんだ。
「凛!おはよー!」
「…あ?ああ…」
「ねぇ、なに?さっきの。凛、大神さんと仲良かったっけ?」
「別に仲良くねぇ!」
俺の席に寄ってきた化粧濃いめの肩までの髪の茶髪パーマ。
亀井律子。
押しの強い、気が強い女。