マイ・ファースト・ラブ
歌だった。
男の人の声。
車の音でかすれて聞こえる。

「大通りの方だ!!」

つい叫んでしまった。
歌っている人が気になる。
そう思った時には、自分の荷物を持って、駆け出していた。
歌が聞こえる大通りまで走った。

着いた時、歌う男の人の姿は、
ただ、綺麗だった。
綺麗という言葉以外出てこなかった。

彼の周りは、キラキラと光に満ちていた。
夏先の風に乗って、耳に届く音が心地よかった。
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